フラメンコといえばステップを踏み鳴らす…というイメージを持たれている方も多いと思います。専用のシューズがあって、つま先とかかとに釘が打ってあります。
レッスンが始まってシューズを買ったらいざステップの練習です。脚を持ち上げて下す、をひたすら繰り返すんですが、それだけでもちろん音は出ます。初めは慣れない動きで音質どころではないのですが、ある程度踊れるようになると、自分の足で綺麗な音をだせるかどうかまで気にするようになればバイラオーラ(フラメンコの女性ダンサー)としてはなかなかのもんですよ。
例えば指が楽器に触れた時の感覚と足の裏が床に接地する感覚は似ています。実際フラメンコの踊り手の足は打楽器と同じとよく言われています。その時、足の裏と床の間で磁場のようなものが生まれているのを感じることができます。
私もまだレッスン生の頃、毎日ステップの練習をしていた時に足の裏がなんだか床に吸い付くような感覚がうまれて、まるで磁石のようで、その頃から音質も変わりリズムとの一体感が味わえるようになり、その空間が粘着すればするほど体の芯からの心地よさを実感していきました。その後教えるようになって、その足の裏の感覚を先生なんとか伝えたい気持ちでいっぱいなんですが、これがなかなか伝わらない笑。
更にその後バランスワークのクラスを始めて、こちらでも足踏みタイムを設けてみたところ、左右の脚を交互に上げて下ろして、まぁ当たり前に皆さん床を踏んでるはずです。皆さんからしてみたら全然ふざけてないし、私がちゃんと踏んでくださいって言ったら?な顔をされるのも当然です笑。
何が違うかと言うと、腹からの圧力を足の裏に伝えてるかどうかなんですね。腹からの圧力とは、まず頭の重みが軸にちゃんと乗ると下腹、尾骨にその重みを感じます。そして足の裏、土踏まずから踵あたりにそのまま伝わると自分の軸が一本通ります。これは自分の体で体感できます。ここが大前提になります。
そして脚を振り下ろした時にその重心が足の裏から床に伝わると反動で体幹が引き上がるような力が同時に生まれます。これは運動学で「重力と床反力」と説明されていますが、だから磁場が発生するんですね。腹の力でもなく、もちろん脚の力でもありません。
動作のコツとしてひとつポイントを挙げると、脚を下ろそうとするより無意識的に脚を上げるほうが皆さん優位になってることが多いですかね。腿上げをやれと言われたらそれで問題ないですが、足の裏の着地時間は超短くなりますよね。初めは意識的に床をにじにじ踏み込むところからスタートしたらいいですよ。そしたら自分の足の裏の筋肉がいかに弱いかとか、バランスが悪いかにまず気づきます。床と粘着してきたら腿の裏、お尻の下あたりが同時にきゅっきゅっとしまってくるのがわかります。
このブログで私何回も言ってる気がしますがすみません笑、
左右のバランスが取れているとか、筋肉や関節が凝り固まっていない状態は条件としては確かに望ましいです。でも人がこの浮世で社会生活をしながら一生の間絶対に歪まない固まらない時間てそんなにないですよね笑?だったら、多少揃ってなくても、自分を繋ぐ天からと地からのエネルギーが体の中心で均等に拮抗し合う軸のような感覚をいつでも持てるのが一番強くて一番信頼出来ます。
自分軸というワードもよく耳にしますが、'自己中心'の本来の在り方とはここなんではないかと私は思っています。
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